造本家による執筆要項

 ブックデザインは日本語では「造本」または「図書設計」と言うらしい。日本図書設計家協会などがあるから、ブックデザイナーは図書設計家(または造本家)という厳めしい肩書きを背負うことになる。

 他方で「装幀家」と呼ばれる人たちがいる。カタカナ語ではカバーデザイナーになるのだが、では造本家(ブックデザイナー)と装幀家(カバーデザイナー)は何が違うのか。ブックデザイナーの桂川潤氏の説明を引用する。

最近の出版界で「装丁」というと、たいていは「本のジャケット、表紙、本扉、帯」といった外まわりのデザイン(+装丁資材の指定)を指す。一方「ブックデザイン」というと、これら外まわりのデザインに加え、判型、版面、見出しや本文の書体、本文用紙の指定など編集的要素を含めた「本のトータル・デザイン」という語感が加わる。

 私の場合、装幀のみの仕事は過去に三、四冊ほどやっただけで、大半がトータルでの案件だ。さらには僭越ながら、校正・校閲までやらせてもらっているので、自ずと著者や訳者とのメールの往還も頻繁になり、校正および校閲した箇所とその理由を、校を重ねるたびにメモにまとめて送信するよう努めている。
 このメモ書きがけっこう大変で、基本的な執筆要項だけでも前もって文書化しておき、著者や訳者にそれを手渡せばもっと楽でしょうに、と出版社の人も気をもんでくれているのに、締切のない仕事だからいまだ出来ていない。

 要項の全体は完成してないが、部分的には書き終えた項目もあるので、どなたかの参考になるやもしれず、何よりここでのネタ切れのときに役立つ。
 なお、著者や訳者に読んでいただくための要項だから「です・ます調」であるべきと思うが、ここではそれは使わない。敬語表現は冗長になるし、そうでなくとも私の文章は冗長になりがちなので。